素晴らしいエンブレムブックが入荷しました。

こんにちは☆
松浦です。

プライベートで、タンデムという(言語交換)を
ベルリンのコミュニティーで知り合ったドイツ人の方々としているのですが
この間、面白いトピックが話題になりました。

それというのは、”トロッコ問題”と呼ばれる思考実験について。

簡単にいうと

制御が不能になったトロッコのがこのままでは前方の作業員5人を轢き殺してしまう!
というタイミングで、
あなたが分岐器のスイッチを切り替えることができるとしたら、
トロッコを別の線路(そこには作業員が1人だけ作業中)に切り替えますか?

という課題です。

1人の命を犠牲にする方法を選ぶと、代わりに5人の命を救うことができますね。
そして、実際に約9割の人はその方法を認めるそうです。

では、
少しシチュエーションが変わるとどうなるでしょう。
今度は分岐器による線路変更ではなく、一人の体格の大きな人を突き飛ばして線路を塞ぎトロッコを止めるという選択肢が与えられます。
1人を殺めて5人の命を助けることができるという点は共通にもかかわらず
この方法を認める人は1割程度となります。

人間は肉体的な接触を伴う危害は、肉体的な接触のない危害よりも非道徳的だ。と判断する。
自分の手で人を直接死に追いやる事には強く否定的な反応を示すという事でした。

自分だったら、とっさにどっちを選ぶのだろう。。。
そして、その一人が家族だったら?小さな子供だったら? 突き飛ばしていい人が凶悪殺人犯だったら?
もしくは分岐器のスイッチを握る自分一人のいる線路にトロッコを引き寄せることで5人を救うことができる場合はどうでしょう。

ジレンマは深まるばかりです。
皆さんはどうですか?

ということで、トロッコ問題は人間がどのように道徳的ジレンマを解決するかを調べる為に提唱された極端な課題で
回答者の性別や精神状態、また犠牲になる人の性別や年齢によっても色々な結果が導き出されます。
ですがここまで極端な話でなくとも、このようなジレンマはたくさん存在しているなぁ、と気づかされる話題でした。

例えば人類の歴史上では、生贄や魔女狩りに始まり、
今では臓器移植や死刑制度、工場式畜産場、動物実験による商品開発なども功利主義(社会全体が良しとすることは良し)かもしれません。
うちの住宅の中庭には今日、
ネズミ駆除のための毒を巻くのでペットや子供が口にしないように注意してくださいとの通知が来ていました。
これも同じでしょう。 (逃げてーネズミさんっっ)



守られる命、殺傷されるべき命、
何が道徳的か、または政策として正しいとされるか、何が公平とされるか、善とされるかは現代においても
最大多数個人の最大幸福が基準になっているところが多いようです。

社会性や論理思考が進化?する一方で、
失われれて来たものの一つに情緒があると思いますが
またそういうものが大切に養われる時代がいつか巡ってくるだろうか。

などと物思いに耽る地味な土曜日w 
素晴らしいエンブレムブック”Atalanta Fugiens”
https://en.wikipedia.org/wiki/Atalanta_Fugiensが入荷しました。

道徳や詩を伴うエンブレム の素晴らしいリプリントです。
このようなエンブレムブックは本は 16 世紀〜17世紀にヨーロッパで人気がありました。

これらのイラストは天才地形学者、マテウス・メーリアンによる銅版画。
よって、アーヘンのいくつかの有名な都市景観も見られます。
音楽の部分は三声のフーガというのでしょうか?
すみません、音楽については存知ませんが
Lteinischen Sprüche in Form von dreistimmigen Fugen .
=ラテン語の箴言は三声のフーガから成るとの表記あり。

医師や化学史家、自然科学者、そして芸術家や音楽愛好家の興味を惹きこんだ
現存わずかな1617年〜1618年の初版のファクシミリとなっております。

http://archangel.ocnk.net/product/4554
(リプリント)















http://archangel.ocnk.net/product/4554

今日は雨なので買い付けはお休みですが、
明日古書散策に行ってまいります^^