書籍名
Das kleine Buch der Tropenwunder.
Kolorierte Stiche von Maria Sibylla
Geleitwort von Friedrich Schnack.
図版の作家 Maria Sibylla
序文 Friedrich Schnack
本書でご覧いただける
スリナムにおける熱帯の植物や昆虫の彫版
を手がけた人物、
マリア・ジビーラ メリアン
Anna Maria Sibylla Merian(1647-1717)。
オリジナル作品の著者のエピソードをご紹介。
マリア・ジビーラ メリアンは
ドイツでの離婚をきっかけに自分の母親の出身国オランダに住んだ時期がありました。
さらにその後、オランダ領であった南アメリカのスリナムへ布教の為にの移り住む事になりました。
スリナムで彼女はじっくり南国の植物、
昆虫を観察することができたのだそうです。
その後もオランダースリナムを何度も行き来し
熱帯の虫や植物の観察を続けたマリア。
マラリアに感染してまで...大変熱心に活動を続けた強い女性です。
そうして晩年、彼女はオランダに戻り、
1705年スリナムの昆虫類についてまとめた
手彩色銅版画集
Metamorphosis insectorum Surinamensium
ースリナム産昆虫変態図譜ー
を出版しました。
数年後、計71毎の図版にグレードアップした
Metamorphosis insectorum Surinamensium (Dissertatio de generatione et metamorphosis insectorum Surinamensium)
となって1719年に登場したようです。
既に1600年代植物画家としての業績をあげている
彼女でしたが
当時未知の領域であった”昆虫の生態”への
着眼点は革新的であり、
昆虫学に大きなな貢献をもたらすこととなりました。
何故人々はそれまで虫に関心が無かったのでしょう。
実は、ルネサンス期までは疑いなく信じられていた
ある説があったのだそうです。
紀元前4世紀の古代ギリシアの哲学者
アリストテレスの自然発生説。
この説の影響でこの時代まだ虫は悪魔だと思われ避けられる存在でした。
そんな時代を背景に、一人の女性が
イモムシを世話し、美しい蝶になりゆく行程を見守る姿、熱心に調査する様子はさぞ異様だったに違いありません。
熱心な昆虫観察において、画家から科学者の域に入りつつあったマリアは魔女と思われた事もあったという事です。
本書インゼル文庫の351番
は24枚の図版を含む小さな編集作品ですが
興味と情熱に満ちた女性作家の努力の賜物です。
幼少時代からの強い興味関心と、命がけの旅無くして決して完成することのなかった
”スリナム産昆虫変態図譜”
そのミニ版を手にとってみてはいかがでしょうか。
<コンディション>
良好。ハードカバー。
見開きの白紙部分に書き込みがみられますが
表紙や図版に目立つ破損はみられず綺麗な状態です。
しかしながら1950年頃の古書につき若干の変化をご想定ください。
<発送>
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