美術館(博物館)には癒されますか?

こんにちは☆
松浦です。

毎年夏になると、ドイツ各地でこのビックイベントが開催されます。



”ミュージアムの長い夜”
夜から朝までミュージアム間を移動するバスも用意されており
80のミュージアムを1つのチケットで見て回れるという奇跡のイベントです。
夜のミュージアムというのもミステリアスでいいですよね。

ただし、問題が1つ!
夜からの開始なので朝型の人は開始時点でまあまあ疲れています^^:
なるべく万全な体制で臨みたいものです。

ところで、皆さんは美術館(博物館)には癒されますか?
それとも疲れますか?

私はただ外を歩くのは3万歩くらいなら平気なのですが
美術館はじっくり見れば1館でくたびれます。


壁のパネルや、年表や説明書きをじっくり読んだり、
ヘッドセットを借りて音声も全部聞くので
厚めの本を立って1冊読むくらいの疲労は想定されますが
そんなもんじゃないのです。

なんというか、肉体的に疲れるというよりは
精神的ダメージが大きく、
目が回るレベルでどっと疲れてしまいます。

多分、美術品の描写や形状、作品に込められた念、建物の素材の鉱物や
古い物の放つ波動が鑑賞する人の情動を揺さぶるからだと思います。
美術館は住み慣れた日常とはかけ離れていて、完全なる異空間ですから。


謎の疲労感はある程度美術や背景の宗教的なことを理解できるようになってから
一層酷くなりましたし、何か物事を学ぶ度に悪化するようです。
今はフラクトルや渦巻きのモチーフを見ただけで
ああかも知れない、こうかも知れないと要らぬ思考が邪魔に入ります。
私にとって、美術品の鑑賞は正解のないメッセージを読み取り続けることです。


美術館を歩いて、頭が煮詰まってきたら、
一度カフェに入って、お茶をして窓の外の日常に目を向けると随分気分転換になります^^




最終的には、”やり遂げた感”とともに美術館を去り、
外を歩く頃にはまた元気を取り戻し、アァ素晴らしい経験だったと、思い返します。
美術館内は幾らか圧倒的なので、記憶に残っている程度のちょっと薄れた印象に私はようやく癒しを感じます。


ちなみに、これはベルリンのボーデ美術館。
晴れた日曜日の午後は古書の買い付け後ここでよく休憩します^^

現在、ボーデミュージアムの展示はこのような内容です。





さて、この地域の古書の市から今週も素晴らしい作品集が入荷しました。
たくさんあるのでオススメページに記載しますね。









http://archangel.ocnk.net/product/4732
ドイツの画家、文学の挿絵として
数々の功績を(実は)おさめた
Johann Heinrich Ramberg
ヨハン・ハインリッヒ・ラムベルクの版画集が入荷しました。

ゲーテのファウストのイラストの作者でもあります。
本作では、フリードリヒ・フォン・シラーの作品
例えば群盗"Die Räuber”
ヴィルヘルム・テル"Wilhelm Tell”
たくらみと恋 "Kabale und Liebe”
などの文学作品のために提供された
挿絵からの版画が多数紹介されます。

ヨハン・ハインリッヒ・ラムベルクは、
個人的には最も過小評価されている芸術家の一人、
そんな気がしてなりません。
日本でこの方の作品を見られる機会はあるのでしょうか?

これは、鍛錬とか人間の想像力の成せる業じゃぁない...
100点以上紹介される作品はご覧の通り、神がかっています。

http://archangel.ocnk.net/product/4732