セバスチャン・ブラントの木版画集が再度入荷しました

こんにちは☆
松浦です。


Narrenkappe=道化帽をかぶった愚者として描かれる人々の行いを
客観的に見る事のできる興味深い古書が再入荷いたしました。
http://archangel.ocnk.net/product/4852

内容は風刺詩人セバスチャン•ブランツによる作品
”阿呆船”
(Das Narrenschiff /The Ship of Fools)
に掲載のある木版画集となっております。

Sebastian Brantは
風刺文学作品として
16世紀ヨーロッパにおけるベストセラーとなった
『阿呆船』(あほうせん)の著者として有名な風刺詩人です。







http://archangel.ocnk.net/product/4852
これらの木版画を作品を通じて
当時の世相やカトリック教会の退廃・腐敗、
教会に対する批判を訴えていたようです。


本書には121枚の図版が掲載されており
各図版の教訓の解説はP135〜P162にございます。

例 37番(ページ)及び56番(ページ)の絵は
今でもタロットカードのデッキでおなじみの運命の輪ですね。


http://archangel.ocnk.net/product/4852
解説によると
”Alle Macht nimmt einmal ein Ende”
全ての力には終わりがある。
と書かれています。

この輪は
地上で起こる全てのことには可変性があるという事を示しているのでしょう。

どれだけしっかり定着したものに見えても、
ある力による支配は一時的なものであり、
その姿勢が道を外れたものなら終わりが来るだろう。

この章で作者ブラントは当時の世界を支配した偉大な”力”について考察しています。

500年以上経った今もなお
私たちは大きな力の支配下に生きている感じがありますね。
ですがそれも、いつかは新たな支配の到来により終わりがくるという点では
普遍的なようです。