星空コーヒーの話とイラストの素敵なロシアの物語など

こんにちは☆
松浦です。

10月も中旬となり、ベルリンも秋の夜長がはじまっております。
ダウンコートの人もちらほらみられます。
冷たい空気が心地よく肺に沁みる季節となりました🍁



使わせてもらっているオフィスには冬っぽい配色の絵がやってきました。
これは橋をテーマとした展覧会用にオランダで描かれたものなのだそうです、なかなかいい雰囲気を醸し出していますよ。

しかも私が昔住んでいた家具付きの部屋に飾ってあった絵(一時行方不明になった後、最近出てきたそう)なので、
何か強い縁を感じます。
この絵を眺めながら仕事する日がまたやってくるとは✨

さて、最近私はある出来事をきっかけに、早寝早起きが習慣づきました!

”早起き”の方は、用があればアラームをセットするなり、
気合いで起きるなり、比較的実行しやすいと思うのですが、
多くの大人にとってなかなか難しいのが、おそらく”早寝”ですよね!?

寝る準備が早くできても、寝ようと思えば思うほど、プレッシャーで寝つけないものです😂
この度早寝ができるようになったのは、ラッキーなことでした!

ある時、
まだ暗い早朝に掃除をしていて、ふと空を見上げるとですね、
すごく綺麗な星空が見えたのです。

ベルリンであるにも関わらず、雲の無い日の早朝にはこんな星空が見えるのかと衝撃でした。
そこで、星空を見ながらコーヒーを入れ、中庭で飲んでみると...
まーー、美味しいこと!。°(^ᵒ̴̶̷᷄ᴥᵒ̴̶̷᷅^)°。 ☕️

部屋の灯りを点けている住人が他にいない時間だからこそ見える貴重な景色。
そろそろ始まる日の出とともに消える儚い星空です。

それを発見して以来、
一仕事終えた後、星空の下でコーヒーを飲むという静寂のラグジュアリーを味わうために😂
毎朝2〜3時間早く行動開始していたところコーヒーを飲む時間が早まりました。
早朝のコーヒーのカフェインが完全に分解されるのに15時間+かったとしても、夜21時頃には
カフェインが抜けているのでかなりよく眠れるようです👏

さて、今週はまた素敵な古書が入手できました。
1900年頃の、ちょっとアンニュイな配色の、
くねっとした植物モチーフがとても個人的に大好きなのですよね〜
https://archangel.ocnk.net/product/5902





(本作自体は80年代のご本ですが、イラストは1900年頃のものです。)
https://archangel.ocnk.net/product/5902

内容はロシアに伝わる物語が4話入っております。
アール・ヌーヴォーの特色の強いイラストです。
生涯を通じて、スラヴの神話や民話に強い霊感を受けた、
20世紀初頭の影響力のあるイラストレーター、
イヴァン・ビリビンの絵の本となっております。
よかったら商品ページから覗いてみてくださいね。


さて、個人の読書ジャーナルとしては、先週はこれらを読み終えたところです。
今日はまた新しい本が届くのでワクワクです。


右の本は古典的な芸術作品によく見られる人物やモチーフの説明の本なのですが、
左の英語の本の方は、
"Eleanor Oliphant Is Completely Fine”という小説でした。
日本ではエレノア・オリファントは今日も元気です!
というタイトルで邦訳が出ているようです。

ホラーではありませんが、
最後の10ページ目くらいで、一回心臓が止まりそうになりました。

ネタバレにならない程度に感想をコメントすると
エレノア(女性の名前)さんは、タイトルに反して完璧に大丈夫などころか、実のところ完璧に病んでいます。

人気者になることはないが、誰かに殺されるほど程嫌われてはいないだろうと自覚でき、
規則正しく、無駄なく生活する一見普通の30歳の女性です。

彼女は”ちょっと変わった、気難しい人”という印象を周囲に与える程度の違和感はあるものの
最低限社会的に順応できる人物を
幼少時から心的外傷の上に築き上げてきたのでした。
それなりに仕事もでき、出世もします。

そんな彼女ですが、
ある時、偶然職場で知り合った一人の同僚と初めての”交友関係”をきっかけに
過去の体験から自分を解放しはじめます。

徐々に人間らしい感情を取り戻し、より高い社会性を身につけ、動植物を愛し、依存を克服...
内容に少しカウンセリングに通う場面があるのですが、そこでの所謂心理的なシャドーワークの取り組みの様子は見事な描写でした。

冒頭の数ページ読んだだけでは、よくある恋愛小説なのかこれは??
と読者に思わせるうような書き出しですが、後半はテンポ良く進む再生のストーリです。

真の癒しを求めるなら、一大決心して深層にある古傷を掘り返し、根源をしっかり癒す必要がある。
口にすることができないほど悲惨な経験をほじくり返すのは本当に辛いものですが、価値あるチャレンジです。

トラウマと共に生きる女性を主人公とする、ものすごく重たいテーマの小説ながら、
ちょっと、さくらももこさんののエッセイ的な、
一文読んだだけでクスッと笑える的な要素もふんだんに盛り込まれています。
(邦訳版の方も言葉選びのセンスが問われるところですが、そちらもいつか読んでみたいです。)

ちなみに洋書としての難易度はかなり低い印象です。
次に読む本を何かお探しの場合は、よかったら読んでみてくださいね😄