王室の彫刻家であったアーティーストの作品

こんにちは☆

松浦です。



中庭で管理人さんが草刈りをしており
子供の頃育った愛媛の田舎を思い出す、
懐かしく、癒される匂いがしています。
(近所の河原の草刈りを住民が順番に担当していたので)

今知ったのですが
こういう匂いによって記憶や感覚が呼び起こされる現象は
プルースト現象というそうで、
催眠術にかかった状態らしいのです。

嗅覚からの刺激で人に強く暗示がかけられるというので
今世界の催眠術師は調香の勉強をしているらしいです。

匂いの力ってすごいんですね....

話は変わりますが、
今日は、素晴らしい古書がまたひとつ加わります。





お馴染みインゼル文庫158番

この巻貝や二枚貝達、カラフルで綺麗♫珍しい!
なだけでなく実は結構すごいんです。


このご本は、

王室の彫刻家であったドイツ人
Franz Michael Regenfuss氏の手彩色版画の復刻版のようです。

Regenfuss氏の生きた1700年代(18世紀)には
カラー印刷の技術はありませんでした。
そこで、職人は銅版画に手作業で色付けを施していたそうです。


彼の貝をテーマとする大作はテキストが加えられもともと
1758年フランス語とドイツ語で発刊されておりました。

”Choix de Coquillages et de Crustaces ”
がタイトルだったと思うのですが。


これが大成功!

作者はデンマークの王室に雇われ
作品制作に打ち込めた結果、

細かい所まで抜かりのない美しい線描、
彫り、そしてカラーリングの融合の織り成す3Dのような印象で、
それまでの歴史上他に比を見ない程素晴らしい
貝のイラストが出来上がったという事です。

彼に協力したのは王様 Frédéric V de Danemark (1723-1766)
だけではございません。
なんと、手作業の色付けの多くは奥さんの
マルガリータさんが手伝っています。
(Margaretha Helena Regenfuss)

しかし、そんな大成功をおさめた
美しいご本にもかかわらず
世界の各地にたった数部のコピーを残しオリジナルは
この世の中から消えてしましました。
とはいえ、なかなかただでは一般人の目に触れる事の無い
どこかちゃんとした所で大事に保管されているのだと思います。

というか、見間違いかもしれませんが北米のサイトで
オリジナルに120万円ほどの値段がつけれられていたような。。。。

1700年代の茶色い革のような表紙の写真を以前どこかで見たのですが、今回みつけられず、代わりに単品の画像ならございました。




額に入ると、オーラが増しますね。。。

1930年代そんなFranz Michael Regenfuss氏の作品の
復刻といえるようなご本、インゼル文庫158番が登場しました。

インゼル文庫はもちろんカラー印刷されておりますので
オリジナルのように職人の手技による微妙な色彩の変化は味わう事ができませんが、誰もが手に取ることのできる身近なご本として生まれ変わったのです。


後半はFriedrich Schnack氏のテキスト(ドイツ語)が
加えられております。



小さな海の素晴らしい本 ー色とりどりの二枚貝や巻貝
”Das kleine Buch der Meereswunder. - Muscheln und Schnecken-. In vielen Farben”

Kolorierte Stiche von Franz Michael Regenfuß. Geleitwort von Friedrich Schnack

なかなか、興味深い古書なんですよ。
今日中(11日)に登録いたしますね。



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